So-net無料ブログ作成
検索選択

舞台:『地下室の手記』(カタルシツ (安井順平)) [お芝居・舞台のこと]

こんなの観てきました。

カタルシツ
【地下室の手記】
Cut2015_0314_1120_35.jpg
2015.3.13(金)19:00~@HEP HALL

原作/ドストエフスキー(光文社古典新訳文庫「地下室の手記」安岡治子訳)
脚本・演出/前川知大
出演/安井順平

概要:(HPより)
ドストエフスキーの同名小説を大胆に翻案、
2013年に上演された話題作が一人芝居となって再演。

世間から軽蔑され虫けらのように扱われた男は、
自分を笑った世界を笑い返すため、自意識という「地下室」に潜る。
世の中を怒り、憎み、攻撃し、そして後悔の念からもがき苦しむ、
終わりのない絶望と戦う元小官吏のモノローグ。
舞台は帝政ロシアから現代日本に。
ネットのストリーミング生放送で、カメラに向かって理路整然と罵詈雑言。

コメントにブチ切れるいい大人を、安井順平が 今度は全編ひとりで、実演。


初めて観に行った、カタルシツ。
ドストエフスキー作品は、まったく読んだこともなく、
ロシア文学なんて、小難しいんじゃないのかい?
なんて思いつつ、観に行ったわけですが、
もう、全然、すっかり、たっぷり、面白かったです。



こんな大胆な現代日本版アレンジをほどこした脚本&演出家(前川さん)もスゴいし、
たった一人でがっつり演じきった演者(安井さん)の達者さもオミゴトで、
そういう技巧部分を褒めたいのはもちろんあるのですが、
それより先に、何よりもまず、
単純に、「観ててめっちゃおもろかったですやん!」と、一番に言いたい。
てっきり「考える面白さ」の作品なのかと思い込んでいたけど、
(いや、その部分もあるのはあるけど、)
私は、主人公のどうしようもなくバカバカしいダメさが、
最高に面白かったですよ。

独りよがりの社会批判や哲学を、
ネット(ニコ動)に向かって主人公が独白する前半部分と、
過去の出来事を再現する(これも独白の延長)後半部分。


見栄、プライド、過剰な自意識、
伴わない行動、空回りな哲学・・・。
わかるわーと共感したり、
最低だなーと軽蔑したり、
悲しいなーとがっかりしたり、
可愛そうだなーと同情したり。
主人公の様子を見ながら、色んな思いにかられました。
そして全てを通して漂う絶妙な“中二病”感が、
たまらなく面白かった。


ニコ動中継をしつつ、っていう設定が良かったな。
壁に流れるツッコミコメントがあると、
下手すりゃ小難しくなりすぎる作品を、
上手く脱力させてくれていて、
単純にバカバカしさに笑っていいんだなと、いうことが分かりやすい。
(個人的ツボは、オシャレな音楽聴きつつ無言…てなシーンに刺さる
「ナニコレ?」コメントでした。あるある感、最高。)

いや、上述したとおり、
原作小説を全く読んでいないので、
「地下室の手記」という作品自体を、こういう意味で「面白い」と
思ってしまっていいのかどうかはわからないけど、
もしからしたら、原作のイメージとは別物、なのかもしれないけど、
私は、こっちの面白さ、で楽しんで観られたのが、良かったなと思います。


「自分の臆病さを思慮分別と勘違いしてた。」

「安っぽい幸福と、高尚な苦悩、どっちがいい?」


セリフだけ抜き出すと、確かに文学チックね。


ラスト、
「ネットに溶けてこのままデータにでもなってしまいたい」てセリフで、
自分の存在意義に落ち込む主人公に、
ネット住民からの励ましコメントの弾幕と、感動的なBGM。
いい感じで終わるのかと思いきや、
「なにいい感じにしちゃってんの?そういうんじゃないから。」
「俺、ここから出ないよ。」
と、ばっさり終わるのも、ある意味気持ちよかった。

さて、原作のラストはどう終わってるんだろうね?


【地下室の手記】(ドストエフスキー 著)
内容紹介
極端な自意識過剰から一般社会との関係を絶ち、地下の小世界に閉じこもった小官吏の独白を通して、
理性による社会改造の可能性を否定し、人間の本性は非合理的なものであることを主張する。
人間の行動と無為を規定する黒い実存の流れを見つめた本書。

地下室の手記 (新潮文庫)

地下室の手記 (新潮文庫)

  • 作者: ドストエフスキー
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1970/01/01
  • メディア: 文庫


 


nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:演劇

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この記事のトラックバックURL:
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。