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今日の本:『仙台ぐらし』(伊坂幸太郎) [本のこと]

大好きな小説家、伊坂さんのエッセイ本が文庫になってたので、読みました。

伊坂幸太郎
【仙台ぐらし】

仙台ぐらし (集英社文庫)

仙台ぐらし (集英社文庫)

  • 作者: 伊坂 幸太郎
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2015/06/25
  • メディア: 文庫
内容(「BOOK」データベースより)
タクシーが、見知らぬ知人が、ずうずうしい猫が、多すぎる。
タクシー運転手が嘆く不景気の元凶は何か、喫茶店で執筆中にやたらと話しかけてくる
おじさんは誰なのか、どうすれば自分の庭に猫が糞をしなくなるか。
仙台に暮らす心配性の著者が、身の回りで起きたちょっとおかしな出来事を綴る。
2005年から2015年までに書き溜められたエッセイ集。
短篇小説「ブックモビール」も収録



章を1つ読んで、
小説家さんの書くエッセイは、ほんとにおもしろいなぁ。
と、改めて実感。

仙台の出版社が出している雑誌『仙台学』に連載されたものが
まとめられた一冊。
「タクシーが多すぎる」というタイトルの1回目から始まって、
その後も全部「○○が多すぎる」というシリーズになっています。
「見知らぬ人が多すぎる」(Ⅰ、Ⅱ、Ⅲまである)と、
「心配事が多すぎる」(Ⅰ、Ⅱ)が好きでした。

仙台在住の伊坂さんが、仙台の町や人について
何気ない日常の中で思ったことなどがつづられているのですが、
些細な事柄を独特の角度から見たり、
そこから発展した考えや妄想のおもしろさはもちろん、
その書き方・読ませ方がイチイチ上手いのは、
さすが小説家だなぁ、と当たり前のことに感心してしまう。

伊坂さんの小説の空気感が好きなら、
このエッセイもきっと好きになるはずです。


そして、エッセイの後には、
2011.3.11、仙台で体験した震災の日のことを書いた文章や、
震災後にタウン誌などに寄せて書かれた文章も収められています。
「この『仙台ぐらし』が、〝震災の本”としてくくられてしまうを危惧した」と
ご本人はあとがきで書かれていますが、
それでもやはり、伊坂さんの文章で、伊坂さんが過ごしたその日のことや
その後の仙台の描写が、この本の中で読めてよかったと私は思います。
だって、あの震災があったとき、仙台方面に知り合いや親せきがいなかった私は、
真っ先に浮かんだのは、仙台在住の好きな作家(=伊坂幸太郎)さんのことだった
のだもの・・・。

そして、エッセイだけではなく、1篇だけ収められた短篇
『ブックモビール』の話も好き。
震災後の仙台が舞台の物語だけど、特に「震災」に焦点をあてているわけじゃなく、
伊坂ワールド健在な、ちょっぴりの謎と、想像のフィクション。
おもしろかったです。
作中の、“(住む場所を)簡単には移動なんてできない。シールと同じ。”
(=一度貼ったものを簡単に貼り直しはできない。よっぽど丁寧にはがさないと
ボロボロになってしまう)っていう表現が、とてもわかりやすくて印象的でした。


伊坂幸太郎にしか書けない、エッセイ&小説の一冊「仙台ぐらし」。
おすすめです。


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